昭和30年代に生まれ、テレビにかじりついてアニメを見ていた私にとって、八百屋さんはカッコ良さの象徴でした。「もーれつア太郎」の主人公が、「アタックNo.1」の主人公の良き理解者が、八百屋さんだったのです。時がたち、八百屋さんベンチャー「八百鮮(やおせん)」が、大阪に誕生しました。目指すのは、「八百屋を、日本一かっこよく」です。

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社員のみなさんと、社長の市原敬久さん(右端)。黒いユニホームを着て=大阪市中央区の空堀店

カンサイのカイシャ ここがオモロイ!

 八百鮮の社長、市原敬久(たかひさ)さん(42)は、岐阜出身。ゆくゆくは起業だ、と京都産業大に進んだ。ゼミの教授は、パナソニックの元幹部。松下幸之助の「企業は人なり」という言葉を心に刻み込んだ。

 大学を卒業するとき、ゼミ仲間3人で誓った。

 「いつか、自分たちで会社をつくろうぜ!」

 3人は、別々の会社に散った。ひとりは営業職、ひとりは経理職、そして、市原さんは人材コンサルの職につく。

 はたらき始めて2年。市原さんは、ビジネスを学ぼうと思った。ネットで、ビジネスの原点、といったワードで検索していくと、こんな言葉が出てきた。

 八百屋は商売の原点!

 ものを仕入れて売る、これぞ…

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